みなさん。こんにちは。 岩波新書のコンパクトさにいまさら驚いたマエ☆コウです!
大衆向けに本の小型化を実施した岩波文庫はポケットに入る感動。 #岩波文庫 #読書と日本人 #岩波文庫の功績
『重版出来』という本を知ってますか?
マンガに関わる人々の超骨太人間ドラマ! 「マンガ」は、漫画家だけのものじゃない。 編集者、営業、宣伝、製版、印刷、デザイナー、取次、書店員…。 数えきれないマンガの裏方たちのリレーで、読者の手に届くもの。 そう、裏方の熱き想いがあるからこそ「マンガは売れる」んです! マンガに関わる一人ひとりの人間ドラマをぐいっと描く本作、 全ての仕事人へのエール漫画です!!!
いわゆる、大手漫画雑誌の編集者像がマンガになっていて、8巻まででています。
さらには、2016年4月にドラマ化もされました!
今回紹介するのは
『重版出来』を同人誌化した
『重版未定』という本です!
光り輝いているようにみえる、大手出版社の編集者ではなく、弱小出版社の編集者を描いている珍しいマンガ。
重版される本だけが良い本なのか?
編集者の仕事ってなんだろう?
これが弱小出版社の現実なのか?
『重版未定』を読むとそんなことを考えてしまいます。
- 『重版未定』ってどんな本?
- 1万人のための本ばかり編んでいたら似たような本だらけになる
- 書籍市場の売上データを見てみた
- リアル過ぎて、泣けました。の帯が強烈なブックデザイン
- 今日の本から見たセカイ
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『重版未定』ってどんな本?
さっそく『重版未定』の中身をみていきましょう。
主人公は、弱小出版社につとめるこいつ。
「重版未定」の色紙、制作中。 pic.twitter.com/ZM5XlMRprS
— 川崎昌平■『重版未定』発売中。 (@shouheikawasaki) 2016年11月29日
名前はないそうです笑
弱小出版社の編集者が入稿から辞表を出す!?までの物語
弱小出版社の編集者がさっきのキャラクターです。
【作者による『重版未定』補足解説】第3話から。弱小版元の場合、初刷が2000〜3000部ぐらいだったりしますから「平均的な読者像」を気にしすぎるのはどうかなと私は思います。むしろ「誰がなんと言おうがおもしろい本なんだ!」と信じて編集したほうが、燃えます。 pic.twitter.com/OFuWv1Wkcj
— 川崎昌平■『重版未定』発売中。 (@shouheikawasaki) 2016年11月19日
入稿に始まり、取次、書店営業、決算など、そして辞表を会社に出すまでの弱小出版社のリアルな現場が、これでもかと描かれています。
『重版未定』はジャンルとしてはマンガですが、この1冊でストーリーが完結!
1話、1話に込められた弱小出版社の編集者の思いの丈、その強いメッセージ性がグイグイきます。
もうちょっと詳しく見ていきましょう。
弱小出版社ならではの、リアルな現場を2つ紹介!
第1話から、あとがきまで含めると17話が『重版未定』には収録されています。
その中でも、「弱小出版社ってきついなぁ〜」「これはメンタルブレイクしそう」って感じたシーンを大きく2つ紹介!!
売れるではなく売る商品を考える企画会議
出版社が次に何の本を売っていくのか?を決める会議が企画会議です。
新しく出版する書籍の企画を提案する会議。出版社の未来はここで決まると言っても過言ではない。編集者の本当の力量が問われる場でもある。この場で承認された企画をベースに刊行スケジュールが組まれ、編集作業がスタートする。
弱小とはいえ、出版社の企画会議ですから
「厳しい審査を通過して、選び抜かれた確実に売れる本」について考えているのかと思いきや!
違ったんですね。
特に、計画上の刊行点数が足らない場合、「売れる本」ではなく「売る本」、つまりは出版社にとっての商品量を確保するんだとか。
「売れる商品」がないと儲からないのはもちろんだが、「売る商品」がないとそもそも経営が成り立たない。
「作っただけで、どうするねん!売れなきゃやっぱりだめでしょ。」と、ぼくは思っていました。
しかし、どうやら出版社の売上は、取次に納品することで決まる仕組みになっているので刊行点数を出すたびに売上が計上されていきます。
なので、出版社からしてみると刊行点数が予定より少ない場合、「売れる本」よりも「売る本」を取次に大量に納品したほうが、簡単に売上を計上できるってことですね。
これが現実だとしたら、出版社って読者のこと視野にいれて企画考えているのかな?と疑問に思ってしまいましたね笑
刊行記念イベント参加者0人の絶望!
これは身の毛がよだつ!
弱小出版社とはいえ、作家の新作刊行記念ですから観衆がちらほらいるのかと思ったら・・・。
まさかの、誰も来ない!!
絶望する書店員。
作家がイベント終了前に去る始末。
今の時代はSNSの活用はもちろんのこと、新刊が出ますよ!!と告知しないと読者は目も向けてくれませんね。
ぼくは、刊行記念講演会などにほとんど顔を出したことがなかったのですが
この話を読んで、今度刊行記念イベントとかちょっと面白そう!参加してみよう!
と思いました。
ぼくがよく訪れる丸の内の丸善でも、よく講演会が開かれているのでそこから攻めていきますかね。
1万人のための本ばかり編んでいたら似たような本だらけになる
この言葉は『重版未定』を読んだ中で、1番印象に残ったものです!
主人公の上司が、放ったこの発言。
いいですよね。
大衆向けする本ばかりを出版社が作っていたら、同じものの大量生産で本の魅力が、ガクッと落ちてしまいます。
だからこそ
大衆にウケる、時代の流れにそった本だけでなく、出版社独自路線の本がどんどん出版してほしい!
そういうニッチでぶっ飛んでいる本の方が、読んでて面白いんですよ?
書籍市場の売上データを見てみた
『重版未定』を読んだついでに、書籍市場の売上データを見てみました。
引用元:売り上げも書店数も減少続く 「出版不況」の現状は? | THE PAGE(ザ・ページ)
※売上データは取次経由されたものしかカウントされていません。電子書籍や直販などはノーカウント
書籍と聞くと、ぼくは漫画雑誌をのぞいたものをイメージします。
まず、驚くのは雑誌の売り上げの方が圧倒的に多いこと。
ピークの1996年では、おおよそ4000億円ぐらいの差があります。
本が売れなくなったというよりも、雑誌が売れなくなったことの方が書籍市場にとっては痛いですねぇ。
リアル過ぎて、泣けました。の帯が強烈なブックデザイン
では、ブックデザインの話に移りましょう!
なんといっても、帯が強烈!
リアル過ぎて泣きましたってwww
帯ですから多少の盛りがあるとしても、やっぱりこれが現実か!と思わせますね。
カバー全体はこんな感じです。
そでの部分にでっかく重版と未定の文字が!
さらにカバーを外すと、重厚感がでますね。
カバーをしているときには発していなかったオーラが漂います。
今日の本から見たセカイ
弱小出版社のリアルすぎる仕事現場!ネットで話題『重版未定』の感想はどうでしたか?
出版社の編集者像をありのままに描いた、正直な本が『重版未定』です。
ぜひ、手にとって編集者の仕事を想像しながら読んでみてください。
『重版未定』から見たセカイ
- 弱小出版社の企画会議は、刊行点数を増やすため売れる本ではなく売る本を作ることがある。
- 新刊を出しても、読者に伝えなければ読者はついてこない。
- ニッチな本の方が面白い本が多い!
以上マエ☆コウでした。
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