こんにちは、マエコウです。
塩野七生さんの本にハマってしまいました!
なので、本日は塩野七生さんの『ローマ人物語~ローマは一日にして成らず~』をご紹介します。
- イタリア人のルーツを味わえる1冊!
- イタリア旅行前後に読むのが、この本の読みどき!
- ケルト人、ローマ人に屈辱を与える
- 軍道アッピア街道をつくり、イタリア半島を統一する。
- ローマ人のアイデンティティは共和政
- ローマ市建国からイタリア半島統一までの500年間の旅に出よう
イタリア人のルーツを味わえる1冊!
塩野七生さんの『ローマ人物語〜ローマは一日にして成らず〜』上下巻は、イタリアの首都ローマ市の誕生から、ローマ市がイタリア半島を統一するBC272年までの歴史を生き生きと描いています。
本書の面白さは、イタリア半島統一過程を見ていくことで、イタリ人のルーツ、つまりはローマ人としてアイデンティティとは何なのか?を探究できる点にあります。
イタリア旅行前後に読むのが、この本の読みどき!
現在のローマに行くと、トレビの泉やフォロ・ロマーノを始めとした名所を数多く見ることができますよね。写真はフォロ・ロマーノです。
西はスペインやイギリス、東はイラクまで覇権を広げていたローマ帝国の前身こそが、本書の主人公で、イタリア半島を統一したローマ市なんですよ。そういった背景を知った上で、ローマを訪れるのでは感動が大きいですよね!!もちろん、イタリア旅行後に読んで、思い出に浸るのも楽しい!
なので
- イタリアに旅行をしたことがあり、ローマの歴史に興味をもった人
- イタリアへの旅行前に、ローマ市の歴史を知りたい人
- イタリア人のルーツを探りたい人
には、おすすめしたい本となっています。
ケルト人、ローマ人に屈辱を与える
BC753年、伝説上のローマ人ロムルスによってローマ市が建国されました。そしてBC509年に、ローマ市はエトルリア人の王から独立を果たすのと同時に共和政を実現。
独立を果たしたローマ市でしたが、北はエトルリア人、ケルト人、南にはギリシャ人がいたため、当時のローマ市は周囲を異民族に囲まれていました。
特に、ケルト人の襲撃はローマ人のプライドをズタボロにしたようです。
ケルト人たちは、抵抗するものもいなくなったローマで、残虐のかぎりをつくしていた。ローマ人は、地位の差も性別も年齢の差もなく、殺され、暴行され、略奪され、奴隷にされた。神殿も元老院議場も屋敷も市場も、破壊され炎上した。
ローマ人にとっては、建国以来一度として味わったことのない屈辱だった。
軍道アッピア街道をつくり、イタリア半島を統一する。
本日(4/1)夜10時、テレビ東京『美の巨人たち』アッピウス・クラウディウス『アッピア街道』(前編) 560キロに及ぶ街道の美。それまでの道と違うのは、出来る限り一直線に作ったこと。一体なぜ?そのために行った驚きの事業とは?https://t.co/UQGs8PeRUw pic.twitter.com/CxLVQniCSd
— ヨーロッパ旅行✈情報部 (@euro_tour) 2017年3月31日
ケルト人による襲撃にも負けず、ローマ市は立ち直ります。ギリシャから政治改革のエッセンスを学び、平民と貴族の争いの沈静化に成功。重装歩兵部隊の整備。そして、イタリア半島統一に欠かせない、軍道を作り始めました。
特に、有名な軍道にアッピア街道があります。このアッピア街道を地図で確認してみると南イタリアへと伸びています。
イタリア半島統一は北から南へと進んでいきますが、この南に伸びたアッピア街道があったからこそ統一は成功したと言っていいでしょう。
アッピア街道完成がBC312年、イタリア半島統一がBC272年。街道完成からたった40年で南イタリアを制圧してしまったわけですね。
ローマ人のアイデンティティは共和政
ローマ人のアイデンティティは何か?と聞かれれば、ぼくは共和政と答えます。
ローマ人は、イタリア半島統一する過程の中で王政へ戻りかける時期が幾度となく訪れます。
しかし、そのたびにローマ人は共和政を優先して王政へのリスクを排除しつづけてきました。
王位に野心をいだいた者を殺しても、証拠さえあれば罪には問われないということになる。
共和政と脅かす異物は、すべてなくしていく。たとえ戦争になったとしてもです。
この共和政維持へのこだわりこそが、ローマ人の本能を駆り立て半島統一の原動力になったとぼくは考えています。
ローマ市建国からイタリア半島統一までの500年間の旅に出よう
塩野七生さんの本を読んでいると、まるで自分が当事者のように歴史のいち場面いち場面にいる感覚に襲われます。
ローマ人がローマ人たるアイデンティティを育み、共和政を根付かせ半島統一まで民族として成長していく500年の旅。
高校の世界史の教科書では決して語られることのない、ローマ人との歴史を知ってみませんか?