【感想】『闇に魅入られた科学者たち』科学に心を売った科学者たちは、何を世界に残したのか?!

みなさん、こんにちは。マエコウです。

今回紹介する本は、『闇に魅入られた科学者たち』です。

 

 

2016年にNHK BSプレミアムで放送された「フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿」を書籍化したものになってます。

 

当時映像で見る機会もなかったので、手に取ってみたら、これが面白い!

すぐにブログで紹介したい!と思える数少ない本!

 

この記事では、

 

  • 『闇に魅入られた科学者たち』がどんな本なのか?
  • その面白さはどこにあるのか?
  • この本って読むの難しい?


といった点を紹介しています。


それでは、さっそくいきましょう。

 

 

『闇に魅入られた科学者たち』は心のすべてを科学に捧げた5人の科学者たちの末路がまとまっている

『闇に魅入られた科学者たち』は、全5章で5人の科学者を取り上げています。

 

タイトルにある闇に魅入られたとは、プラスの言葉で言い換えるなら、科学への飽くなき探究心。マイナスの言葉で言い換えるのなら、科学の発展のため、すべてをいとわない心です。

 

その5人の科学者たちが、悪い意味で科学に心を売った結果、国や世界にどのような影響を滅ぼしたのか?この論点が、本書最大のテーマです。


取り上げられている科学者たちは、ニュートンやエジソンなど世界史の教科用に載っているような、有名な人たちではありません!

 

本書で紹介されている科学者たちは、学校の歴史の教科書には出てこない人たちです。

 

例えば、切り裂きマニアのイギリス人 ジョン・ハンター、 ナチスドイツ政権下のホロコースト推進者 フェアシュアー、模擬監獄産みの親 ジンバルドーなど。


ジョン・ハンターからジンバルドーまで彼らの名を耳にしたことがある人は少ないのではないしょうか?


本書では、

そんな科学者たちが各分野でどのような成果を上げてたのか?

世界の科学の発展にどのように貢献してきたのか?

そして、一体どこで闇落ちしていったのかを歴史的背景を踏まえて、読みやすい文体で紹介してくれています。

闇に魅入られた科学者と実験台となった人たちのもとに成り立っていた科学。その過程こそが本書の面白さ

 
例えば、第1章は切り裂きマニアのイギリス人ジョン・ハンターは、死体の解剖マニアの話です。


ジョン・ハンターはイギリス人でジョージ王朝の18世紀の人物。

 

現在でも人体のほとんどが解明されていないわけですから、18世紀なんてほぼ何も解明されてないに等しいのではないでしょうか。

そんな時代の中、ジョン・ハンターは解剖手術に才に溢れている1人でした。


解剖マニアな彼は時間が経つにつれて彼は解剖した死体をコレクションし、特に筋肉標本として体格の良い男性を解剖の対象として好みはじめます。


リアルの人体標本を作っていたということですね。


本書によると、このような筋肉標本をはじめ、生物の標本を集めたジョン・ハンター博物館がこの当時人気だったというから驚きですよね。


見れたもんじゃないですよ・・・・・・


そんな彼の目の前に、身長が2m近くある男性が現れ、彼はその巨人を解剖したくなってしまいます。

 

解剖学の発展、科学の発展のため、
ジョン・ハンターは巨人の解剖が必要と考え彼が死んだ後の死体を回収します。


ジョン・ハンターが科学に心を売った瞬間がまさにここです。

 

しかし、彼がこの時解剖の闇に魅入られていなかったとした、いまの医療手術分野の発展はいまほど発展はしてなかったでしょうね。


実は、彼は解剖をする中でいまでは一般的となったバイパス手術を発明して成功させています。

 

実はハンターは、数多くの解剖結果から。膝周辺の血管の様子を知り尽くしていた。こぶのある動脈以外にも、脚の先へと通じる血管はいくつかあった。そしてシカやイヌを使った動物実験で、動脈を縛っても影響が出ないこと、さらにその縛り方まで確かめていたのだ。こぶにつながる血管を糸で縛ることで血液を他の血管に迂回させ、問題となる動脈に流れ込む血液を最小限に抑える。負担を減らせば、動脈瘤は自然に消滅するはずだ。現代の「バイパス手術」を先取りするものだった。

 

 

『闇に魅入られた科学者たち』は歴史ものだけど読みやすいよ!


科学史、その中でも医療分野がメインですから読みこなすが大変そう。。。と思う人もいるかと思いますが、そんなことはないです!

 


本書を出版しているNHK出版です。NHKで放映された番組を再編集して文字に起こしたのが本書になっていますので、できるかぎり誰にでも読みやすい内容となっています。


また、科学史とあるように歴史ですから、手を伸ばすのを躊躇しがちですが、歴史の知識があまりなくても楽しく読むことができますよ!
時々ある図表、写真も一見の価値アリです!

『闇に魅入られた科学者たち』を買った理由は、NHK出版

 

僕がこの本を読もうとしたきっかけは、大きく2点あります。

 

  • タイトルにひかれたから
  • NHK出版にハズレは少ないから

 

特に2番の理由ですね!

僕の経験上、NHK出版から出されている本にハズレはない!安心のブランドですね。

 

お金を出して買うんで、できるかぎりつまらない本は買いたくないですよね?そういうときに自身で信頼できる出版社探すとハズれ本に出会ってしまう確率を下げれます。

NHK出版でいうと、『100年の難問はなぜ解けたのか 』も読んでみてほしいですね。こちらは数学のお話で、宇宙の形を証明するポワンカレ予想について書かれています。

 


この本も『闇に魅入られた科学者たち』と同様に、NHKでやっていた番組が書籍化されたものですね!

髑髏のシンプルさが、際立つブックカバー

 

薄っすらと見えるのは、人の臓器が細かに書かれた解剖図でしょうか。

『闇に魅入られた科学者たち』 感想 おすすめ

この表紙から分かる通り、本書の科学者5人も医学系の人物であることが、勘のいい人はわかるかもしれませんね!

まっくらな部屋にぽつんと本棚に本書だけ1冊置かれてたら恐怖感が増しますね。

『闇に魅入られた科学者たち』 感想 カバー

 

科学者の暴走なしに、いまの科学は成立し得なかった

 

科学者たちの知的好奇心が暴走に着目したのが本書ですが、その裏には実験台となった多くの犠牲者がいることは忘れてはならないです。

 

闇に落ちた科学者とそれによって命を奪われて人々。そのどちらも欠けては、現代の科学の発展はないですね。

 

 

科学の発展と犠牲について、興味を持った人は『闇に魅入られた科学者たち』ぜひ読んでみてください。

 

 以上マエコウでした!

 

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