みなさん。こんにちは。ワンスライドワンメッセージにうるさいマエ☆コウです!
こいつには、1スライド1メッセージを教え込まないとダメなようだな。 #コンサルタント #ウザリーマン #パワーポイント #1スライド1メッセージ
今回も直木賞候補作品の紹介をしていきます。
紹介するのはこちら
須賀しのぶさんの『また、桜も国で』です。
『また、桜の国で』のあらすじ
Amazonに良い書評があったので引用します。
戦争の悲しみ、民族超えて共有
ポーランドの首都ワルシャワの郊外を歩いていると第2次大戦末期の1944年、ナチス・ドイツの占領に対して国内軍が武装蜂起した「ワルシャワ蜂起」の慰霊碑や慰霊塔をよく見かける。だがそれは、ワルシャワが体験した戦争のほんの一部にすぎない。東京とは異なり、ワルシャワでは39年の勃発から45年の終結までずっと戦争の惨劇が繰り返されたからだ。
日本でそれほど知られていないこの時期のワルシャワを舞台に、一人の在ポーランド日本大使館外務書記生の運命を描いた小説が本書である。難しい外国語や資料の制約など幾重もの壁を乗り越え、これだけのスケールをもった小説に仕立て上げた著者の構想力に心を動かされる。
言うまでもなく戦争とは国家と国家の戦いである。そこでは各人がどの国家に属しているかを問われる。誰が「友」で誰が「敵」かが問われるのだ。しかし本書に登場する主人公は、日本人でありながら同盟国であるドイツに蹂躙(じゅうりん)されるワルシャワでポーランド人とともに戦う。そしてワルシャワ蜂起では体を張ってドイツ軍の戦闘行為をやめさせようとする。
このとき、主人公と行動を共にしていたのは、アウシュビッツから奇跡的に生還したユダヤ人と、日本の敵国であるはずのアメリカ人であった。3人は民族や国籍の壁を超え、戦争の惨劇を繰り返してはならないという思いを共有するに至る。そんなことが可能だろうかといぶかしむ向きもあろう。所詮(しょせん)はフィクションではないかという声も聞こえてきそうである。
だが私はそうは思わなかった。ワルシャワは、第2次大戦の前にも分割によって国を失う悲劇を体験している。そうした悲しみの歴史に寄り添おうとする著者のワルシャワに対する愛情には、深く胸を打つものがある。この町を歩いていると、日本人であることを忘れそうになる瞬間が確かにあるのだ。
評者:原武史(放送大学教授・政治思想史)
内容紹介としては、こちらですね。
一九三八年十月一日、外務書記生棚倉慎はワルシャワの在ポーランド日本大使館に着任した。
ロシア人の父を持つ彼には、ロシア革命の被害者で、シベリアで保護され来日したポーランド人
孤児の一人カミルとの思い出があった。先の大戦から僅か二十年、世界が平和を渇望する中、ヒ
トラー率いるナチス・ドイツは周辺国への野心を露わにし始め、緊張が高まっていた。慎は祖国
に帰った孤児たちが作った極東青年会と協力し戦争回避に向け奔走、やがてアメリカ人記者レイ
と知り合う。だが、遂にドイツがポーランドに侵攻、戦争が勃発すると、慎は「一人の人間として」
生きる決意を固めてゆくが……
舞台としては、第二次世界大戦中。ナチスドイツがポーランド侵攻を計画している渦中。
主人公の慎と孤児のカミル。
彼ら2人の出会いが、のちのポーランド侵攻やワルシャワ蜂起の運命を変えていくことになります。
そして、本書の重要なキーワード、ショパンの名曲「革命のエチュード」はどう絡んでくるのか?が注目の1冊になっています。
『また、桜の国で』の面白さ
『また、桜の国で』の面白さを1つ集約するならば、やはり歴史的事実とフィクションを絡めた点ですね。
舞台が、第二次世界大戦中。ナチスドイツはもちろんのことワルシャワ蜂起やポーランド侵攻など、歴史的背景が色濃くでている作品に仕上がっています。
世界史を勉強したことがある人なら、楽しみが倍増するシーンも多いです。
本書の序盤にゲッペルスというヒトラーの右腕のような人物も出てきます。
ヒトラーの映画には、確実に出てくる人物です。
Twitterでは、どんな感想が寄せられているのが見てみしょう。
須賀しのぶ『また、桜の国で』読了。
— maimaima (@chim09lives) 2017年1月15日
独が侵攻する直前のポーランドに、日本大使館の書記生として赴任した主人公慎。日露ハーフで、日本人であることや祖国を愛する心というものを掴めきれないと感じている彼が、何度も亡国の憂き目にあってきたポーランド国民の祖国への誇りに強く惹かれていく。→
時代背景がもろに出てますね。亡国・・・。
また、桜の国で(須賀しのぶ著、祥伝社)を読みました。
— 多面体君 (@tamentaikun) 2017年1月14日
読みごたえのある圧巻の力作。素晴らしい作品でした。
「革命のエチュード」…切ないですね。 pic.twitter.com/eJGxTJAeaA
そう。「革命のエチュード」が切ない・・・。
僕がなぜ『また、桜の国で』をわざわざ購入して読んだかというと、「背景が第二次大戦」「視点が連合の弱小国にある」「導入に国際列車の客室でのいざこざシーンがある」あたりがめちゃくちゃ終末のイゼッタ1話と似ているなあと思ったからです<RT
— トリック (@innocent9131) 2017年1月12日
やはり、時代設定や時代背景にひかれて購入している層がいますね。
ぼくも時代背景に引かれて本書を読み始めました!時には難しい表現がありますが、特段困ることはないですかね。
このように、事実とフィクションを合わせたストーリーに引かれ、そこに面白さがあるのがこの『また、桜の国で』です。
『また、桜の国で』は直木賞を受賞できるのか?
ぼくは、受賞できないと考えています。
とても良い作品です。ですが、運が悪かった。
今回の直木賞にはもう1作品音楽を扱った小説があります。
それが、『蜜蜂と遠雷』。こちらの出来が良すぎる。それと比較されてしまうと、評価を落としてしまいそうです。
なので、『また、桜の国で』は受賞できないなぁと思っています。
『また、桜の国で』のブックデザイン
こういう歴史観が伝わってくるブックデザインは個人的には大好きです。
まずはカバーから。
うん、この絵どっかで見たことが・・・。なんて作品でしたかね。
日本史の資料集とかででてきてたような・・・。日本史にそこまで詳しくないとなかなか思い出せませんな。
カバーを外した表紙がこちら。
カバーを外すと如実にわかるのですが、カバーにも薄く世界地図(アジアと欧州)の絵が描かれているんですよ。
日本と欧州の話ですから、載っていて当然ですね!!
渋くてよい!
今日の本から見たセカイ
2016年直木賞候補『また、桜の国で』感想!第2次世界大戦に立ち向かう外書記生の運命が切ないはどうでしたか?
『また、桜の国で』は非常に切ないシーンが多いので悲しみに暮れる小説を読んでみたいなという人には特におすすめできます。
ぜひ、読んでみてください!
今日の『また、桜の国で』から見たセカイ
- 設定された時代背景が興味深い!
- 事実とフィクションを絡めた悲しきストーリー
- 「革命のエチュード」がどう絡んでいくのか?
よかったら、はてなブックマーク、読者登録、はてなスターをよろしくお願いいたします。
以上、マエ☆コウでした。
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