本を読むことに壁を感じている人は多いのではないだろうか。
本の1ページ目から最後のページ目まで読まないといけないなんて誰が決めたのか。
手に取った本すべてを1から100まで目を通さないと気が済まない人はこの本を手に取って見て欲しい。
本の読み方が変わり、そして本に取り組む姿勢が良い意味で崩れることは間違いない。
著者である成毛眞さんは日本マイクロソフトの社長として有名であるけれども、
最近では書評サイトHONZを立ち上げた人という印象が多いのではないか。
内容
本書は本を10冊読む並列して読むことを推奨している。

本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術 (知的生きかた文庫)
- 作者: 成毛眞
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2008/01/21
- メディア: 文庫
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10冊同時に並列して読書する並列読書術を使いこなすことで人生がクリエイティブにそして豊かになるからだ。
並列読書と言っても同ジャンルの本を並列しては全く効果はない。
並列させて読む本は関係のないジャンルを選び抜く。
自分の職業とは直接関係ない本で、江戸時代の文化の本と物理学の最先端の本、屋久島のコケの本と三谷幸喜のエッセイというように、ぶっ飛んでいるほうがいいだろう。
10冊も並列して「全部」読むなんて超人的な技術はないと思う方がほとんどだろう。
しかし、心配しなくていい。
そもそも、本の全ページに目を通すことは必要ないからだ。
実際、私が月に50冊読む中で、最後まで読み通すのは10冊にも満たない。資料性の高い本はもくじと気になった項目を2、3ページ読んでおしまい。文章が下手な本は、すぐに読むのをやめてしまう。
本を読んでいるのだからそこに書いてある内容をすべて吸収しなくてはならないと
考えると読書するということに壁ができてしまう。
その障害のせいで読書をしないなんてことは人生の多くを無駄にしているとしか考えられない。
本を1冊1冊丁寧にノートにまとめている人もいるが、本書の10冊並列読書では禁じ手である。
そもそも「超並列」読書術とは、異なるジャンルの本を並行して読むことでベクトルの全く異なる情報を組み合わせていく読書法なのだから、それぞれの本に分けて感想をまとめてしまったら意味がない。
また、本書はただの読書論とは違い視点で書かれている章がある。
成毛さん特有の本棚へのこだわりを語っている箇所だ。
読書するからには本の装丁にもこだわりたいのは自然のこと。
本の装丁が良いと本棚が非常にしまる。
それがまた読書の楽しみ方である点はとても共感できる。
本棚は人に見せるものではないが、本棚を見られても恥ずかしくないラインナップをそろえたいものである。
かっこいい本の条件は本書では4点紹介されている。
1.タイトルがかっこいい
2.装幀がかっこいい
3.帯がかっこいい
4.本文のレイアウトが崩れてない
目の前の本を買うかどうかの判断で大いに参考できる。
本棚についてもっと知りたければ同著者のこの本を読むと良い。

本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか
- 作者: 成毛眞
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2014/12/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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感想
読書の大切さを訴える経営者の本は本屋にずらっと並んでいる。
その中でも特に読書に対する熱い思いを文章でこれほど伝えられている人はいない。
「読書なんてつまらない」と考えている人が読むと心が傷むことは必至だ。
心が傷つくどころかイライラさえする文体である可能性もある。
しかし、その時が自分を変えるチャンスなのではないだろか。
今まで読書をしてこなかった自分を悔やむ暇があるのであれば、今すぐ本屋に行き1冊手に取ってみてはどうだろうか?
読書してこなかった人はもちろんのこと、読書の仕方に悩んでいる人にもブレイクスルーが起きる1冊だ。
マエ☆コウ