全米No1黒人専門書店を作った男の物語『ハーレムの闘う本屋』感想!

 

みなさん。こんにちは。久しぶりに記事を更新しているマエ☆コウです!

 

ブログ更新をサボりにサボりましたが、また再開していきます。
一旦、更新する習慣がなくなると戻すのが本当にたいへんでたいへんで。
ブログをサボるのはオススメしませんね。

 

 

さて、本題に。

今回紹介する本は2016年12月に読破した本で、一目惚れしたものです。

ご紹介しましょう。

『ハーレムの闘う本屋 ルイス・ミショーの生涯』

 

ハーレムの闘う本屋

ハーレムの闘う本屋

  • 作者: ヴォーンダ・ミショー・ネルソン,R・グレゴリー・クリスティ,原田勝
  • 出版社/メーカー: あすなろ書房
  • 発売日: 2015/02/25
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (6件) を見る
 

 

「珍書とは『ハーレムの闘う本屋』のことを言っているんだ!」と感じさせる1冊になっています。

 

 

『ハーレムの闘う本屋』の概要

『ハーレムの闘う本屋』は2015年2月25日に日本で発売。
2016年には第2版が発行されてます。

 

ボストン・グローブホーンブック賞も受賞していて、コンテンツとしてアメリカでは評価されてますね。

ニューヨークのハーレムに、一風変わった書店がありました。 ナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア。 黒人に関する本ばかりを扱う書店、通称「ミショーの店」。 本書は、この店の店主、ルイス・ミショーに光をあてたドキュメンタリー・ノベルです。 1939年、「黒人は本を読まない」と言われていた時代に、店をオープン。 「知識こそ力」と信じていたミショーは、まずは人々の意識を目覚めさせることからと、 型破りなプロモーションを展開します。そのうち、本のおもしろさ、知識の大切さを知った人が、 ミショーを慕って集うようになり、ついには、全米一の黒人専門書店に! 開店当初5冊だった在庫は、古書にも目をくばったミショーの情熱により、 1974年の閉店時には、22万5千冊にもなっていたそうです。 これは、地方都市の図書館に匹敵する在庫数です。

『ハーレムの闘う本屋』はルイス・ミショーの生涯を描いている

本書の主人公はルイス・ミショーという黒人男性。
物語は1904年ルイス・ミショーが9歳から始まり、1976年81歳までです。

 

 

彼は、9歳の時に農家の豚を盗んだ豚泥棒の罪で、留置所に入ります
出所してからは、兄のライトフットに世話になるも、本屋を開業することを決意。

 

1939年、44歳の時にニューヨーク市7番街にナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア、通称「ミショーのお店」をオープンさせます。

 

この「ミショーのお店」こそがルイス・ミショーの人生を変えていくことになります。

 

 

黒人専門書店「ミショーのお店」は黒人差別に対するアンチテーゼだった

アンチテーゼとは

ある主張をする立場や概念に対立する存在、あるいはそれらに基づいた具体的な行為(特に「今までのあり方」や「現在の方法」に対する反対や反抗をするもの)を指す場合がある

つまり、「ミショーのお店」は黒人差別に屈しない象徴的な本屋だったということになります。

それを表すかのように、黒人専門書店を開業後、白人はもちろんのこと国からも目をつけられることになります。

 

当時、黒人は本を読まないという偏見がアメリカではびこっていました。

これは「黒人は学習する意味などない」といった、偏見からきています。

 

しかし、ルイス・ミショーの考えは違いました。ルイス・ミショーは「自らの歴史を知らない人種は、根のない立ち木のようなものだ」と言います。いままで、黒人たちは黒人の歴史を学ぶチャンスを一切アメリカからも周囲からも貰えていません。これは黒人差別以外の何物でもありません。

 

こういった国や周囲からの黒人差別を抵抗するために、黒人専門書店「ミショーのお店」は、黒人についての本、黒人の歴史、黒人が出版した本だけを扱う本をどんどん仕入れては売りさばいていきます。

 

そして、黒人たちは、どんどん本を読み漁り知をつけて「根のある立ち木」へ。

 

自らの歴史を知らない人種は、根のない立ち木のようなものだ

 

1974年の区の再開発計画に耐え切れず「ミショーのお店」は幕をおろす

国の黒人差別に対して、真っ向から抵抗していた「ミショーのお店」でしたが、区の再開発計画で閉幕。

 

そして、1976年8月?にルイス・ミショーは死んでしまいます。

本書の最後は以下のルイス・ミショーの言葉で締めくくられています。

 

「わたしは、誰の話にも耳を傾けるが、だれの言い分でも聞きいれるわけじゃない。話を聞くのはかまわないが、それをすべて認めちゃいけない。そんなことをしていたら,自分らしさはなくなり相手と似たような人間になってしまうだろう。勢い込んで話してくる人を喜ばせ、それでも、決して自分を見失わずにいるには、結構頭を使うものだ」

 

『ハーレムの闘う本屋』の面白さはこれだ!

『ハーレムの闘う本屋』の面白さは大きく2つあります。

 

黒人専門書店という特異な本屋の内情を時代背景と共に知ることができる

いまでは、あまり聞かなくなくなった黒人差別ですが、ルイス・ミショーが生きた時代は黒人差別真っ只中。

 

そんな時代の中で、黒人専門書店を作り上げたルイス・ミショー。

 

  • 彼がどういう思いを持ち、本屋を経営していたのか?
  • 彼が、将来どんな本屋にして行きたかったのか?
  • 本屋の店長としての彼が持っていた譲れないものはなんなのか?

などなど。

 

黒人差別と闘う本屋など現代では、まず考えられません。

しかし、『ハーレムの闘う本屋』を読むことで、約100年前では、何かに対抗・抵抗するために本屋を開業していた。

そういう起業理由もあるんだなと感じれます。

 

 

『ハーレムの闘う本屋』に散りばめられた当時のメディア記事

よく資料が残っていた!!

 

実際に、「ミショーのお店」が開業した時にピックアップされた新聞記事や当時のメディア資料からはじまり、ルイス・ミショーのコメントや本屋をたたむ時の彼の言葉などが、まるまる1Pを使って本書に掲載されてます。

 

また、ルイス・ミショーの家族に関係する手紙なども載っていて、ルイス・ミショーがどんな人間なのか?どんな家族のもとで過ごしてきたのかがわかります。

 

『ハーレムの闘う本屋』を買って、これらの資料を読むだけでも本書の価値がありますね。

 

『ハーレムの闘う本屋』のブックデザインについて

実は、『ハーレムの闘う本屋』の大きさはA3で迫力満点です。

そんなA3サイズのデザインがこちら。

 

『ハーレムの闘う本屋』 感想 ルイス・ミショー

 

でかでかとルイス・ミショーの顔が手書きで描かれますね。

絵のタッチが、なんとも言えません。

 

カバー外した状態がこちら。

毎度おなじみ、カバーと表紙のデザインが違います。

 

『ハーレムの闘う本屋』 黒人専門書店 感想

 

 

これはおそらく、「ミショーのお店」に佇んでいるルイス・ミショーでしょう。

手前に置かれているコーヒーが味をだしてます。

 

装丁を担当したのは桂川潤さん。

有名な方ですね。

 

ちなみに桂川潤さんのWebsiteがありました。

桂川潤のSITE/NEWS

 

意外と更新されてる笑

YouTubeにも動画が。

www.youtube.com

 

今日の本から見たセカイ

全米No1黒人専門書店を作った男の物語『ハーレムの闘う本屋』感想!はどうでしたか?

 

本屋のあり方を考えたり、新しい本屋経営の視点を得るには役立つ本になっています。

ぜひ、読んでみてください。

 

ハーレムの闘う本屋

ハーレムの闘う本屋

  • 作者: ヴォーンダ・ミショー・ネルソン,R・グレゴリー・クリスティ,原田勝
  • 出版社/メーカー: あすなろ書房
  • 発売日: 2015/02/25
  • メディア: 単行本
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今日の『ハーレムの闘う本屋』から見たセカイ

  • 黒人専門書店という特異な本屋を作り上げたはルイス・ミショー
  • 本屋を通じて、黒人差別と闘った男の物語
  • 『ハーレムの本屋』を読むと、本屋経営の新しい視点が得られるかも

 

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以上マエ☆コウでした!

 

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